【認定作業療法士】取得後に感じたメリット・デメリット

作業療法

こんにちは。私は昨年、認定作業療法士を取得しました。取得までの道のりは長く大変でしたが得られるものも多くありました。今回はそんな認定作業療法士について取得までの流れや取得したメリット・デメリットについてまとめていきたいと思います。

認定作業療法士とは?

認定作業療法士とは、

「社団法人日本作業療法士協会認定作業療法士とは、作業療法の臨床実践、教育、研究及び管理運営に関する一定水準以上の能力を有する作業療法士を本会が認定したものをいう。(認定作業療法士規程 第3 条)」 *日本作業療法士協会HPより引用

つまり、臨床能力・教育・研究及び管理運営に一定水準の能力を有するジェネラリストという事になります。現在、認定作業療法士は1,253名(2022年1月1日現在)であり有資格者数に占める認定作業療法士の割合は12.9%となっています。ちなみに更に上位資格となるスペシャリスト・専門作業療法士に至っては114名であり有資格者数に占める割合は0.1%とかなり狭き門となっています。認定作業療法士を取得するためには一定の条件があり様々な研修を受講し、申請することで認定されます。また、5年ごとの更新制であり一定の要件を満たす必要があります。まだ、認定作業療法士取得後間もないですが、今後は更新に向けた準備もしていきたいと思います。

認定作業療法士になるには

Ⅰ.受講資格

認定作業療法士の資格取得のための研修受講には以下の3つの条件が必要です。
①実務経験5年以上
②協会・県士会への所属
③生涯教育プログラムの「基礎研修」を終了している

Ⅱ.資格取得までの流れ

上記の3つの条件を満たせば認定作業療法士取得研修の受講が可能です。具体的な認定作業療法士取得の条件が以下の3つになります。
1)協会が主催する認定作業療法士取得共通研修 3 講座(臨床実習指導者講習会、研究法、管理・運営)の受講を修了していること。
2)協会が主催する認定作業療法士取得選択研修 2 講座(身体、精神、発達、老年のいずれか2講座)の受講を修了していること。
3)事例報告 3 例の提出を修了していること。事例報告の方法は、事例報告登録制度に 3 事例の登録を
するものとする。しかし、2事例は、日本作業療法学会等での発表や臨床実践能力試験、臨床実践報告で代替え可能です。 

Ⅲ.更新条件

過去5年間に下記4項目の更新要件のすべてを満たし、かつ100ポイント以上あること。
1)基礎ポイントを25ポイント
2)臨床実践の報告で25ポイント取得する(1回につき25ポイント)
3)実習指導、研修会や学会の講師などで後輩の育成経験を積む(1回5ポイント)
4)他職種や行政からの依頼による啓発活動など、作業療法啓発に関する社会的貢献(1回5ポイント) ※3)と4)併せて25ポイント以上があること。

*日本作業療法士協会HPより引用し一部改変しています。詳細は日本作業療法士協会のHPをご参照ください。

生涯教育|日本作業療法士協会
一般社団法人日本作業療法士協会は、作業療法士の学術・技能の研鑽及び人格の陶冶に努め、作業療法の普及発展を図り、もって国民の健康と福祉の向上に資することを目的とした事業を行っています。

認定作業療法士のメリット・デメリット

Ⅰ.メリット

・協会や士会など職場以外での仕事の依頼が増える。
・昇給への影響(給与・給料up)。
・人脈が広がる。
・名刺に記載できる肩書が増える(話のネタになる)。

 個人の経験ではありますが、上記が考えられます。その中でも特に、取得研修の中で学んだ内容は作業療法士としての視野を広げてくれますし、また、そこで出会った多くの作業療法士とのつながりは今の私にとってかけがえのないものとなっています。認定作業療法士取得研修で出会った作業療法士と職場外で様々な取り組みを行ったりすることで自己研鑽にもなり、また、そこから新たな取り組みにつながることがあります。最終的には対象者の方が一人でも多く〝元気”になってもらえる、そんな作業療法士でありたいと思います。

Ⅱ.デメリット

 デメリットは取得研修を受ける際の時間や研修費の問題、また、更新する際のポイント取得に関わる時間です。職場によるとは思いますが、私の職場は研修は全て休日を利用し自費で参加しました。資格取得後に職場と交渉し資格手当として給与はupしましたが限りはあります。更には更新のための職場外での活動も基本的には勤務時間外での活動となるため、家族の理解は必要かと思います。
 個人的に特に大変だったのは事例登録です。協会HPの事例登録制度から登録をするのですが、査読もあり時間がかかります。しかし、査読していただいた先生方には失礼かもしれませんが、想像以上のフィードバックがあり、なかなか気軽に添削など指導してもらえる環境のない私にとっては勉強になりました。
 今後は認定看護師のように診療報酬での加算がつくなど待遇改善が図られることを期待しています。しかし、認定看護師と比較し認定作業療法士取得までの要件は低く、診療報酬に反映されるためには更なる認定要件の改定は必要ですし、結果を残さなければと認定作業療法士取得後に勝手に責任を感じております。

最後に

以上が【認定作業療法士】取得後に感じたメリット・デメリットでした。まだまだ、若輩者ですがこれから認定作業療法士を目指す皆さんの参考になればと思います。認定作業療法士取得は大変ですが、それ以上に得られるものがあります。ぜひ、認定作業療法士になって一緒に作業療法を盛り上げていきましょう。

以下に私のおすすめする作業療法に関する書籍をまとめた記事を載せています。併せて参考にしていただけたらと思います。

若手作業療法士に読んでほしい本4選
最初の2冊は臨床での疑問を解決に導いてくれる。最後の2冊は作業療法について考え、そしてアイデンティティを育んでくれる。独断と偏見ではありますが、一見の価値はあると思います。ぜひ一度、該当する領域の若手作業療法士には読んでほしいと思います。

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