今日はタイトルの通り、仕事に活かす哲学・思想におすすめ本を3冊紹介をしたいと思います。哲学や思想と聞くとどこか難しく感じることもあると思います。また、どのように仕事に活かすのかイメージが湧かない事もあるかと思います。しかし、物が溢れAIやロボットが普及し始めた現代社会において、一様に生産性を高めるだけでは社会に取り残される可能性があります。そこで大切なのは「美意識を鍛えること」と山口周氏は言われています。山口周氏曰く、この「美意識を鍛える」という事は、複雑で不安定な世の中で正しい倫理観を持つために必要な「真・善・美」を鋭く見出すことです。「真」とは何が正しいのかという認識、「善」は何が良いのかという倫理、「美」は何が美しいのかという審美の事であり、大量のデータや流行などの外部基準では無くこれらの内部基準を持つことが重要となります。この「真・善・美」を高めるためには歴史や哲学・思想を学び教養を高める必要があります。現フランス大統領であるエマニュエル・マクロンも著書「革命」の中で、自分の育った環境・家族などの生い立ちから、どのように現在の思想・政策が生まれたかという事を綴られています。今回はこれまで私が読んだ本の中から「真・善・美」を高めるためのおすすめの本を紹介します。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 著:山口周
冒頭にも触れた山口周氏の著書、世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?ですが、これはなぜ哲学や思想が大切なのかという点と、「真・善・美」の「美」の部分の鍛え方という点で大変参考になる内容です。AIといったテクノロジーはコピーが可能な反面、美意識はコピーは不可能。これからの時代に必要な「美意識」について詳しく解説してあります。詳しくは別の記事にも書いてありますので、興味がある方はご覧ください。
革命 著:エマニュエル・マクロン
現フランス大統領、エマニュエル・マクロンの著作「革命」。投資銀行勤務から36歳で大臣となり、39歳という若さで大統領に就任したエリート。彼の思想と政策について、自身の家族・生い立ちやフランスの歴史からフランス・EU諸国の政治経済の展望について書かれた本書。39歳という若さで無所属から大統領選に出馬し当選したのはもちろんの事、フランスやEU諸国の抱える問題を的確に捉えており私もとても尊敬しています。本書では特にマクロン大統領のこの思想について、自分の生い立ちからどのように哲学・歴史を育まれ、思想に活かしているのかという事が分かる内容です。フランス人のアイデンティティを大切にしながら変化する時代にフランスはどのように挑戦していくのか。「美意識」を鍛えるため、特に「真」の何が正しいのかという認識、「善」の何が良いのかという倫理感を鍛える為に大変参考になる一冊です。
フランシス·ベーコン「Knowledge Power(知識は力なり)」
君たちはどう生きるのか 著:吉野源三郎
出版から80年がたった今でも読み継がれる、吉野源三郎氏の一冊。主人公の学生コペル君と、コペル君に手紙を書いて人生のアドバイスを送ってくれる叔父さんの物語。特に印象的なのは、いじめに遭っている友人を助けるか助けないかの狭間で悩む部分。倫理・道徳的には助けるのは当然であるが、助けたらいじめの対象が自分に向くのではないかと恐怖心とが入り混じり、複雑な心境で悩むコペル君。80年前の内容ではあるが、現代に通ずる倫理観・道徳心を学べる一冊となっています。この本も「美意識」の「真・善」を鍛えるという点で大変参考になる内容です。
まとめ
以上が仕事に活かす哲学・思想におすすめ本3選でした。私もこれまでAIやビックデータが活用され台頭してきた現代において、私たちはどのように社会で生きていけばいいのか。ただ、生産性を高めるだけでは犬の道。哲学・思想を学び自分の「真・善・美」の内部基準を持つ、それに基づいた問題の発見・解決を図る。私は作業療法士というリハビリテーション専門職であるが、この内部基準に照らして考えると、「患者さんや対象者の方が何に困っていて、それをどのように解決していくのか」という事は、「今組織に求められていることは何なのか」という事を自分なりに考え・答えを見つけることができるようになってきました。これからの時代に必要な教養とは何か。今回の内容を読んで、少しでも哲学・思想に興味を持っていただければ幸いです。
ここでは紹介しきれなかった哲学のおすすめ本も下記に載せています。仕事に活かせる哲学に特化した内容ですので気になる方はご覧ください。
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